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特集 女性アスリートのサポートを考える
産婦人科医の立場から
-―女性アスリートにおける月経対策の現状―
Management of menstrual disorders in female athletes
中村 寛江
1
,
能瀬 さやか
1
Hiroe NAKAMURA
1
1東京大学医学部附属病院,女性診療科・産科
キーワード:
Female athlete triad
,
Relative energy deficiency in sprot(RED-S)
,
Menstrual disorder
Keyword:
Female athlete triad
,
Relative energy deficiency in sprot(RED-S)
,
Menstrual disorder
pp.1503-1512
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002347
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要旨:女性アスリート特有の健康問題として代表的なものは「利用可能エネルギー不足(LEA)による無月経」と「月経随伴症状」である。「女性アスリートの三主徴」や「スポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)」の概念で示されるように,LEAになると,月経だけでなく骨の健康や発育発達など,全身に影響が出る可能性がある。特に10代でLEAの状態が続くことは,生涯の健康を脅かすリスクがあり,早期の介入が重要である。一方,月経を有する女性アスリートにおいては月経困難症・過多月経・月経前症候群などの月経随伴症状が問題となる。「月経痛は我慢すべきもの」「体質だから仕方がない」と考えるアスリートや指導者もいるが,器質的疾患の有無の評価は重要であり,月経対策を行うことでパフォーマンスの維持・改善が期待できる。これら健康問題に関する啓発やアスリート・指導者・医療機関の連携が課題である。
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