“時間を大切にすることは命・人生・自分を大切にすること”

　2007(平成19)年3月末，約40年にわたる看護師としての現役生活を終えた。顧問という役職をいただいてから，個人の時間を優先しつつ，可能な範囲で出勤している。寝ても覚めても，どこかに緊張感と責任を抱えて過ごしていた看護管理者時代とは，気持ちの上で雲泥の差があることを意識せずにはいられない。

　聖隷浜松病院の看護部長としての8年間を支えていたのは，前看護部長の高嶋妙子氏からの「嫌と言わない」の教えである。私が役割を遂行していくとき，「イヤ，やりたくない，能力を超えるから無理だ」と思う事柄は枚挙にいとまがなかった。院内外からの講師依頼，原稿依頼，各種委員就任依頼などなど。しかしながら無責任にならない限り「イエス」と言ってきたお陰で，さまざまな人と出会うことができ，能力が開発されたのだと思っている。