海外見聞記・11
Frankfurt am Main(2)
亀井 義明
1
1川崎市立病院皮膚科
pp.576
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203803
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前回,Frankfurtの町及び大学の概略を紹介した。今回は大学皮膚科の状況をやや詳しく記してみたいと思う。Ordinariusは前述の如くProf. Herrmannであるが,Prof. Steigleder,Prof. Leonhardiの他にOberarzt Landesもその後教授の称号を得た。この三名はaußerplanmäßiger Professorで,日本と制度が異るため,適当な訳語が見当らぬが強いていえば定員外教授,しかし教室内の実際の地位は助教授に当るように思われる。因みにドイツでは助教授という称号,職階はない。Prof. Gottronの令嬢のFr. Dr. Scheicher-GottronはOberärztinに昇格した。
勤務は夏も冬も午前8時からである。だいたい8時10分頃には夫々の部所に着く。おえら方は少しおそいようであつた。ChefのProf. Herrmannは私のいた部屋の恰度隣りに住んで居られ,いつも9時半頃出て行かれる。一週間のスケジュールを紹介すると,毎日午前中にVorstellungとBesprechung,この他に月水金には講義,火木には回診がある。VorstellungはChefを中心として全医師が一室に集り,主として外来でのむつかしいのや珍らしい症例を供覧する時間である。他に臨床講義用の患者もこの時間を利用して下見される。
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