連載 医者ときどき看護師・1【新連載】
2つの視点
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.48
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101116
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- 文献概要
2007年4月,真新しい白衣に袖を通し,ポケットには聴診器を突っ込んで,私はとある病院の病棟へと足を踏み入れた。職員用のエレベータを降り,病棟への自動扉をくぐり抜けると,そこには,初めての場所なのにどことなく懐かしい光景が広がっていた。廊下を行き交う看護師や患者,どこからか聞こえてくるモニター心電図の電子音,時折鳴り響くメロディがナースコールだと気づくのにも,そう長くはかからなかった。ナース・ステーションにいる看護師と一瞬目が合うが,お互いぎこちなく会釈をして,すぐにまた目を逸らす。ここが,私が医者としての最初の2年間を過ごすことになる場所だった。
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