連載 医者ときどき看護師・17
プロフェショナルの条件
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.375
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101467
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- 文献概要
私は医者になる前,看護師をしていた。看護師になる前は看護学生だった。何を今さらという感じだが,今回は,そんな看護学生時代の体験をちょっと振り返ってみたいと思う。非常に些細な出来事だったのだが,その後ずっと,私の心の中にくすぶり続ける思いを抱かせたことでもある。
みなさんは「房室ブロック」はご存知かと思う。不整脈の一種で,Ⅰ度とかⅡ度とかある,アレのことである。看護学生として病棟実習に出ていたある日のこと,その房室ブロックの患者さんが入院してきた。80歳くらいのおばあちゃんで,治療としてペースメーカーを埋め込む目的で来られたようだった。病室には,おばあちゃんとそのご家族の他に,おそらく主治医であろう医者と,まだ若い研修医が一緒にいた。
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