Japanese
English
特集 障害者の加齢に伴う問題とその支援
高齢者における脊髄損傷—2つの視点から
Aged spinal cord injuries, claiming on two perspectives
大濱 眞
1
Makoto Ohama
1
1公益社団法人全国脊髄損傷者連合会
1Incorporated Public Interest Associations Spinal Injuries Japan
キーワード:
脊髄損傷
,
包括的医療
,
システムアプローチ
,
脊損センター
,
QOL
Keyword:
脊髄損傷
,
包括的医療
,
システムアプローチ
,
脊損センター
,
QOL
pp.1165-1170
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202104
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はじめに
筆者は20歳台半ば過ぎにラグビーで頸髄を損傷し,以来,首から下が動かない.手足が動かないばかりか,痛みや,熱さ,冷たさを感じられない完全損傷の身体で40年以上の年月を生きてきた.本特集のテーマ「障害者の加齢に伴う問題とその支援」について考える背景には,筆者自身のこれまでに経験してきた具体的なエピソードが数々横たわっている.
脊髄損傷者に必要な医療と福祉の支援は受傷直後から生涯にわたり,身体的な機能の低下を補うためだけでなく,社会的,心理的課題への対処も含め多岐に及ぶ.ここでは加齢による変化の諸相を内外の知見から引きたい.
本稿ではまた,高齢で受傷する脊髄損傷者が近年増加していることにも触れ,受傷年齢の高齢化から生じる問題についても提起したい.若くして受傷した者の高齢化と,高齢者の受傷と,「脊髄損傷者の高齢化」は今,2つの視点から捉えるべきキーワードなのである.
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