特集 外来看護に今求められていること
老人看護専門看護師による外来看護サポートの試み―長浜赤十字病院の実践から
藤田 冬子
1
1長浜赤十字病院
pp.650-655
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100999
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はじめに
長浜赤十字病院(以下,当院)には24の診療科があり,1日あたり約1400人が外来を訪れ,25人前後の人々が入退院をしている(2007(平成19)年4月現在)。入院し退院していく人の大半が,院内外のいずれかの外来に戻っていくこととなる。
このような療養生活移行の通過点となる外来では,看護ケアが経済的評価を受け算定できるものに「在宅療養指導料170点」や「摂食嚥下機能療法185点」といった項目がある。いずれも,療養相談を受けつつ看護ケアを提供するものである。筆者は外来で働いた経験のなかで,その効果を確信し,2005(平成17)年に看護専門外来を立ち上げ,算定対象となるケアを提供している。
また,病棟では入院時から退院後の生活の安定を見据え,2004(平成16)年より多職種でプランニングしていく退院計画システムを導入した。一見つながりのない2つのシステムであるが,外来-入院-外来という患者がたどる流れのなかでは,いずれも患者の療養生活を支える重要な資源となりうるものである。
そこで,本稿ではこれらの2つのシステムの立ち上げまでのプロセスや現状および効果について報告し,これからの外来看護で看護師に求められる能力および外来看護のあり方について考えてみたい。
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