特集 大卒看護師をどう活用し育成するか
看護系大学の未来の展望と課題
佐藤 禮子
1
1千葉大学看護学部
pp.540-543
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100865
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日本の看護系大学の現状
2000年の日本看護系大学協議会学長・学部長会報告書1)「21世紀に求められる看護学教育―高度な看護実践の実現に向けて」では,21世紀のヘルスケアを展望し,期待される看護専門職像を記している。まず,ヘルスケアの展望は,(1)高齢者のケアニーズへの対応,(2)ハイテク化された医療技術に対応した高度医療ケア技術,(3)慢性疾患をもちながら社会生活を続ける人々への対応,(4)医療技術の進展に伴う人権尊重の高まりへの対応,(5)自律的な健康管理の推進と保健教育充実への対応,(6)ヘルスケアのしくみの改革の推進であり,期待される看護専門職像は表1の如くである。また,ここでの看護専門職とは,看護師,保健師,助産師を含めた看護職者の総称である。
看護系大学の過去10年間(1993~2003年)の設置状況は,22校から毎年確実に設置が進められ,現在107校である。このような看護系大学の増加は,当然のことながら,社会的注目を浴び,看護学の大学教育ならびに看護系大学卒業者に対する期待と同時に,厳しい評価が寄せられるに至っている。
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