第29回日本看護科学学会学術集会 特別企画
看護の高度化と看護系大学の展望
中山 洋子
1
,
石井 邦子
2
,
井上 智子
3
,
任 和子
4
,
菱沼 典子
5
1福島県立医科大学
2千葉県立保健医療大学
3東京医科歯科大学大学院
4京都大学医学部附属病院
5聖路加看護大学
pp.113-115
発行日 2010年6月21日
Published Date 2010/6/21
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- 文献概要
医療の高度化や利用者の価値観の多様化に伴い,高度な専門性を持つ看護専門職に対する社会的要請は増大している.この看護の高度化の要請に看護系大学が応えるために,今,何をすべきであろうか.看護学研究者や高度実践家を含む看護専門職を輩出する看護系大学が直面している今日的課題に加え,これからの看護の高度化がどのように進行するのかという未来をも見据えて,看護学教育の方向性を展望し,看護系大学のあるべき姿を探るのが特別企画の目的であった.看護系大学において看護基礎教育のみならず看護学研究者,高度実践家を育成している立場から井上智子氏に,看護系大学・大学院出身者が看護実践を行う臨床看護管理者の立場から任和子氏に,「大学とは何か」という大学教育に精通した立場から菱沼典子氏に話題提供をいただき,討議を行った.
シンポジストからは,看護学教育は高等教育でなければならず,学士課程から大学院教育への継続性が必要であり,研究を通して看護を具現化することが大事であること,看護現場では生涯にわたり活躍できる人材,リーダーシップを発揮して現場を発展させられる人材が求められており,看護系大学に対する期待が大きいこと,グローバルスタンダードの看護と大学教育のあるべき姿が重なることで看護の高度化が実現されること,同時に看護の底上げも重要であることなどが提示された.
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