連載 続・なぜ看護政策を学ぶのか?・5
看護系大学・大学院の課題と展望
大室 律子
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.51-55
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100202
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わが国の18歳人口は減少し,2007年には大学・短期大学入学希望者の100%が入学可能になると予測されている。高等教育の量的な拡大に対する需要は,ほぼ充足されていると言えよう。競争力の弱い大学経営は,今後一層困難になる。各大学は独自の選択により,競争原理にもとづいた教育改革を進めているが,国家的には21世紀の人材育成を担う高等教育充実の支援も政策として進められている。
文部科学省は1992年度から教育・研究の高度化を図るために,政策的に看護系大学・大学院の新・増設を進めてきた。しかし,競争原理にもとづいた大学教育改革とは何たるかを自ら熟知しなければ,新時代の高等教育競争社会で生き残れない状況である。
最初に,急増する看護系大学と大学院の現状について概観する。続いて現在,中央教育審議会の答申を受けて,推進されている大学教育改革の支援と国際的に魅力ある大学院教育を構築するための政策的動向について述べる。さらに,それを踏まえ今後の看護系大学・大学院の課題について広い視点から述べてみたい。
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