私立看護大学の課題と展望

　私は修道会を母体といたします，カトリック系の私立短大の立場から‘看護教育の課題と展望’について申し上げたいと思います．

　一般的に教育の果たす役割は‘人間形成にある’と昔から言われていますが，近年わが国でますます進行しています，エリート選抜的な教育などが全人格的人間を育成するという，教育の本来の姿からかけ離れてしまっているということは，だれしも感じていることであると思います．しかし，そのような一般現象のなかでも，看護教育におきましては各種学校から大学にいたるまで，いろいろ学校差はあっても，一貫して生命の尊厳を軸とする看護の本質のもとに，豊かな人間性をめざす看護教育が行われているといっても過言ではないと思っています．