特別記事
2年目看護師安全教育研修の実際―卒後教育の一環に位置づけて
斉藤 広子
1
,
望月 さち子
2
,
山内 はるみ
3
,
白井 洋子
3
,
宮下 真理子
3
1聖隷横浜病院準備室
2元聖隷横浜病院
3聖隷浜松病院
pp.42-48
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100769
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はじめに
看護(医療)事故防止には,安全な看護を提供するための実践的教育と,リスクに対する感性と,意識を高め,1人ひとりの認知能力を上げていく教育の両方が必要である。
聖隷浜松病院は組織を挙げてリスクマネジメント(RM)に取り組んでから3年が経過した。この間,さまざまな事故防止への取り組みの中で,リスク管理の要に位置する看護師への重点的アプローチを行なってきた。具体的には,各職場のインシデントレポート(ヒヤリ・ハット)の分析からの対策,他職場・他院のアクシデントからの学びを具体化する等である。それと並行してRM教育も実施してきたが,主に管理者層や看護部の事故予防対策委員会メンバーが対象であった。内容はRMに関する基礎概念やインシデントレポートがなぜ必要なのか等,スタッフ教育に必要な基本を理解することに重点をおいた。日々の看護を安全に提供するために必要な知識・技術の教育であり,導入期の緊急の課題であった。
次の段階として,リスクの高い年代である初心者レベル(経験1,2年目)の看護師を対象に安全教育を段階的に積み上げていく必要性を感じた。そこで,2001年度は2年目看護師を対象に「2年目看護師安全教育」研修を卒後教育の一環に位置づけてプログラムを組んだ。本稿では「2年目看護師安全教育」研修の実際と研修後の意識の変化を中心に述べる。
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