敢えて言いたい
「師長」と呼ぶことは変じゃありません?
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.68
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100774
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2001年末の第153回国会で「保助看法」の一部改正法が成立し,2002年の3月1日から新しい呼び名の保健師,助産師,看護師が誕生した。結婚して改姓したばかりの新婦でも,せいぜい20~30年使い慣れた旧姓から転換するだけで戸惑うというのに,職業としては100年以上,個人としてもずっと「カンゴフサン」と呼び,呼ばれてきたのだから,そんなにすんなりと新しい名称になじめるはずがない。そのうえ,名称変更した途端に,極めて悪質な殺人事件が起きたりして,否応なくそれとセットで「看護師」という名がニュースに登場したせいか,あまり好きになれない呼び名である。後から知った国会の審議などでも,その大半が助産師をめぐっての論議であったようで,本当に改名する必要があったのかどうかも疑わしい一方で,名称変更を看護界の画期的なできごとのように評価する向きもある。すでに歩き始めてしまったから,今更いやとも言えず,そのうち慣れるだろうとは思う。
それはさておき,そこから派生した「シチョウサン」という呼び名はもう1つピンとこない。看護師と違って,「婦長」をどう呼ぶかは,法律で決まったわけではなく,各施設ごとに決めてよい。しかし,医師,薬剤師,レントゲン技師など,院内にも「師」のつく職種は多くある。彼らを師長とは呼ばないのに,何故。また,どういうわけだか,この言葉から私は軍隊をイメージしてしまうのだ。
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