特別記事
医療安全教育における卒前・卒後の一貫教育を目指して―「医療安全:看護基礎教育・臨床ジョイント研修」を終えて
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学
pp.422-427
発行日 2008年5月25日
Published Date 2008/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100920
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ジョイント研修の企画
2007年12月,看護基礎教育・臨床における医療安全教育担当者が,双方の現状と課題を理解し歩み寄ることで,必要な取り組みと協力体制を整えることを目的とした「医療安全:看護基礎教育・臨床ジョイント研修(以下,本研修)」を実施した。本研修は,医療安全教育の担当者で経験3年以上の看護教員30名と医療安全教育担当者で担当経験3年以上の医療機関の看護師30名の計60名を対象として企画し,筆者の所属する国立保健医療科学院(以下,当院)にて実施した。
本研修を企画するきっかけになったのは,筆者の医療安全に関する研究で関わったある看護教員のひと言だった。その教員は臨床経験と教員経験を併せもち,医療安全教育の経験もあったが,臨床での医療安全管理等の経験はなく,医療安全関連の研修に申し込みをしても臨床優先で受講の機会を得られないまま看護学生への医療安全教育を担当せざるを得ない状況にあったとのことだった。この状況を聞いて,筆者はかねてから考えていた医療安全教育における大きな課題を痛感した。
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