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誤薬報告率と組織文化および継続的質改善との関連
佐々木 美奈子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科・看護管理学
pp.796-797
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100757
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背景
誤薬は患者に対し重篤な悪影響を及ぼす可能性があることから,誤薬発生率は質管理の指標として広く使われている。先行研究により,誤薬の発生や誤薬の報告率に関連する要因として,教育病院であるか否か,病床稼働率,薬剤部および看護部の人員配置,仕事量,処方時の略語の統一方法などが指摘されている。しかし,誤薬の報告率やその要因について,病院の質改善の取り組みとの関連を明らかにする研究は少ない。仮説としては,支援的で誤りから学ぶことのできる組織では,継続的質改善(Continuous Quality Improvement:CQI)の導入も進んでおり,誤薬報告率も高くなると予想される。そこで本研究では,質指標の1つである誤薬報告と組織要因(組織文化および継続的質改善の導入の程度)との関連について,以下の点について探索的に検討した。
1) 病院,病棟レベルの組織文化と継続的質改善の取り組みには関連があるか
2) 誤薬報告
3) 病院の組織文化およびCQIの導入の程度と誤薬報告を妨げる要因,推算誤薬報告率には,どのような関連があるか
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