特集 ケーススタディ 看護管理者が問題解決能力を発揮するとき
患者サービス向上への問題改善の取り組み―シックスシグマを用いた患者満足度向上プロジェクト活動を通して―シックスシグマによる患者満足度改善の取り組みの実際―いかに問題解決を図ったのか
佐伯 輝子
1
,
田中 直美
1
1公立学校共済組合九州中央病院
pp.373-379
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100724
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病院経営を取り巻く環境はますます厳しくなることが予想されるなかで,当院が急性期病院として生き残り,さらに発展していくには,「健全経営」と「医療サービスの質向上」の両立が必要で,さらにそれらを特化していかなければならない。
医療は,第3次産業のサービス業に分類されており,またそう言われて久しいが,当院職員の意識はまだまだ低い。“サービス”の特徴としては,「提供される場所で消費が起きる」という「生産と消費の同時性」1)がある。つまり,サービスを提供する職員と患者が出会う瞬間にサービスが提供されるわけで,各職員の接遇行動の1つひとつが,病院全体のサービスの質を決めることになる。ある患者が,10人の職員と関わり,たとえ9人が適切な対応をしたとしても,たった1人が不親切な対応をすると,その病院のサービスの質は悪いと判断される。サービスは10人の平均ではないのである。つまり,すべての職員の提供するサービスの質を向上させなければならず,悪いところを限りなくよくしていくことが求められているのである。こうした患者満足度向上のために,一般企業における業務改善手法であるシックスシグマを用いたところ,その成果が得られたので紹介する。
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