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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅰ.レセプターに作用する薬物
シグマ(σ)受容体
Sigma (σ) receptors
藤田 道也
1
Michiya Fujita
1
1浜松医科大学生化学第2講座
pp.395-397
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900231
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「概説」
もとはオピオイド受容体の仲間に入れられていた本受容体は研究が進むにつれて独立した受容体と考えたほうがよいことが分かってきた。その大きな理由はμ,δ,κ受容体が共通してnaloxoneによってブロックされるのに,σ受容体だけがブロックされないからである1)。σ受容体(またはσ結合部位binding-site)という命名はMartinら2)が示唆した命名法(σは最初にこの受容体に対して用いられたSKF 10,047の頭文字を意味する)を踏襲している。
ヒトでσ受容体の密度がもっとも高いのは小脳,nucleus accumbens,大脳皮質などである。autopsyでえられたヒト小脳のσ受容体は単一タイプで,Kd=0.95±0.12nM, Bmax=358±13fmol/mgタンパク質である19)。
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