特集 ロボティクスと臨床検査
Ⅳ.検体搬送システム
1. 開発のフィロソフィ
5)シグマ精器(株)
戸辺 成四郎
1
,
宮前 敏一
2
Seishiro TOBE
1
,
Toshikazu MIYAMAE
2
1シグマ精器株式会社企画部
2シグマ精器株式会社
pp.121-127
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901749
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はじめに
近年,目覚ましい技術革新の進む中,医療分野においても医療事務処理システムをはじめ診療予約システム,患者監視システム,病歴管理システム,臨床検査システムなど,コンピュータ化・自動化を中心に医療技術革新が急速に進展してきた.従来,医療は医師を中心とした医療従事者と患者との人間関係に基づく対人サービスという観念が強く,機械化の困難な領域と考えられてきたが,特に臨床検査部門においては,その種類と量の増加,検査技術の進歩さらには医療診断における有力な手段としての必要性などに迫られ,いち早くコンピュータ化・自動化という新たな変貌を遂げた.
臨床検査は,被検者から得られた材料に基づいた検査(検体検査)と直接被検者を対象とした検査(生体検査)とに大別されるが,特に前者における血液・生化学検査の自動化は,各種分析機器や機材などの開発を中心に目覚ましい発展を遂げている.生化学自動分析装置をはじめ,自動血球計算機,自動血液塗抹標本作製装置,自動電気泳動装置,自動電解質分析装置,自動免疫化学分析装置など,次々と新規分析装置が開発され,これらいずれもが処理能力,処理スピード,検査精度などの面において著しい向上を果たしており,臨床検査機器の進歩には目を見張るものがある.
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