特集 医療安全研修で何を学ぶか 現場でどう活かすか 研修をより実効あるものにするために
一人の専任リスクマネジャーとして医療安全研修で得たこと
本田 るい
1
1愛媛県立中央病院
pp.983-984
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100704
- 有料閲覧
- 文献概要
不安なスタート
私は,2000(平成12)年4月専任の事故防止係に任命された。以来,今でも胸を張ってリスクマネジャーの役割を果たしているという自信はない。当初,看護部門から提出されるインシデントレポートの集計に時間は費やすものの,次の統計処理がなかなかできず負担になっていた。そのうえ,提出される1枚1枚にどう対応したらいいのか,看護職はじめ,医師や薬剤師,各部門のスタッフすべてに関わるリスクマネジメントの仕事が果たして自分にできるのか,不安は大きかった。
そうしたなかで,病院のリスクマネジャーは,組織のなかでどのように位置づけられ,どんな活動をすればいいのか,看護部に属しながら院内の専任リスクマネジャーとして効果的に活動するにはどのように動けばよいのかなど,さまざまな課題がみえていた。そして,その解決に向けて可能なかぎりの努力はしていたが,時間はかかった。このままではリスクマネジャーとしては失格である。そうした行き詰まり感を感じながら,知識だけではなく,直にリスクマネジャー同士で話がしたいと思うようになっていった。やがて,私の中の知識や情報への飢餓感が研修受講へと向かわせたのである。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.