連載 戦略的医療安全研修――計画から評価までのプロセス・3
目標と対象に応じた医療安全研修方法の選択
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学部
pp.289-293
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100655
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筆者は,2004(平成16)年度より国立保健医療科学院において医療安全に関する研修を担当しているが,研修参加者が抱えるさまざまな課題を耳にした。これらを参考にして,今後の医療安全研修のあり方を検討した結果,みえてきたことがある。
一般的に,院内医療安全研修は,医療安全管理者が実施責任を負うことが多く,参加者も医療者が中心の研修で,職種横断的な研修が十分実施されていないこともある。また,研修内容にインシデント・アクシデント事例の分析演習を取り入れている医療機関では,医療安全管理者や参加者の作業量が過多になって,達成感(効果)を実感できないという声も多く聞かれた。さらに,新人看護職員の離職率が問題となるなかで,「自分も事故を起こすのではないか」という不安,「実際にインシデントを体験した」ことなどが離職原因として挙げられている。
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