連載 臨床実践
クリティカルパスウェイの作成と実用のテクニック・1【新連載】
導入目的と対象疾患の選択
松本 あき子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野
pp.102-107
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905760
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クリティカルパスウェイがケア実践にもたらす効果
そもそもクリティカルパスウェイは,米国におけるDRG/PPS(診断群別予見支払い方式)の導入やマネジドケア1)の拡大にともなって発達してきたケア提供の方法であり,資源利用の効率化,在院期間の短縮によるコスト削減を目的にしたものであった.クリティカルパスウェイ普及の経過のなかでは,経営的側面だけでなく,医療チームによる協働実践の強化,標準化によるケアの評価と改善の実現,患者満足度の向上など,ケアの質の保証や改善に関わる効果が示されるようになった.
クリティカルパスウェイがケア実践にもたらす影響・効果を示すと図1のようになる.多職種が同一のクリティカルパスウェイを使ってケアを提供し,バリアンス2)分析など継続的な質改善の活動をすることで,在院期間の短縮や合併症発生率の低下などの患者アウトカムと,職員の協働実践の強化や職務満足度の向上などの職員アウトカムが効果としてあらわれてくるというものである.
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