特集 新人をいかに支えるか
サポートシステムとシャドウ研修の実際から
新人看護師の離職防止に向けたシャドウ研修の意義―基礎教育の立場から考える
塚原 節子
1
,
四十竹 美千代
1
,
永山 くに子
2
1国立大学法人富山大学大学院医学薬学研究部(医学・看護学)基礎看護学
2国立大学法人富山大学大学院医学薬学研究部(医学・看護学)母性看護学
pp.234-236
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100641
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新人看護師離職とリアリティショック
新人看護師離職に対する大きな要因の一つは,リアリティショックである。新人看護師の早期離職が問題となるなか,本学附属病院でも同様の傾向がみられ,2004(平成16)年度に本学を卒業した新人看護師では,就職後半年以内に一人また一人と離職,その後も次々と退職希望者があらわれ,最終的に5人の離職者があったが,その理由の大半は,リアリティショックに由来するものであった。
岡光幸代氏1)は,リアリティショックになりやすいのは「大変真面目で採用時のオリエンテーションや課題にも真剣に取り組み,卒業時・採用時の成績も良好な人たち」と述べている。「先輩たちも病棟を走り回る忙しさの中で,(自分には)自信がない技術であっても,やらざるを得ない」状況に入職後間もなく直面し,どう対処すればよいかわからない状況にいると考えられる。本学を卒業し,附属病院に入職して離職した新人看護師も,まさにこの状況である。「めまぐるしい現場の仕事をこなせない」状況が続き,やがて自信喪失へと落ち込み,看護職を選択したこと自体を否定,さらには自己否定する状況にまで発展していった。
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