新連載 看護にとっての経営学 ・1
経営の本質は,「人材育成」
青木 菜穂子
1
,
松村 啓史
2
1トータル ライフケア プロモーション
2テルモ株式会社
pp.851-856
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100381
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
経営の目的は「利益」ではなく「永続」
経営の最大の目的は,組織の「永続」です。これは,経営の神様といわれたピーター・ドラッカーの言葉です。広辞苑で「経営」を引くと,「継続的に事業を遂行すること」と明記されています。『太平記』にも「偏に後生菩提の経営を」と書かれています。
しかし,一般的には経営の目的は「利益をあげること」と短絡的に思われがちです。利益をあげることは確かに大事ですが,それはあくまでも経営の成果であって目的ではありません。なぜなら,目先の利益に目がいくと経営の本来の目的とは違った方向に舵を切ってしまうことが多くなるからです。効率のみを優先し利益をあげようとすると,経営にとっていちばん大切な「サービスの質の向上」が置き去りにされてしまうのです。昨今の企業不祥事の多くは,このことが原因となって発生しています。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.