連載 スクラブ・ナース 2年生・14
在宅ケア体験
鈴木 美穂
pp.565
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100322
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日本では在宅医療や訪問看護というと,老人介護や難病,慢性疾患のイメージだが,アメリカでは術後1週間未満の亜急性期の患者も訪問看護の対象となる。私自身がニューヨークで“Visiting Nurse”として働いたことはないが,今回は患者の同居人としての体験を紹介しようと思う。
以前,中国人のルームメイトが大腿の前面一帯にII度の熱傷を負って入院した。夕食に餃子をゆでていて誤って鍋をひっくり返したのである。翌朝,着替えを持って面会に行くと,「明日退院するから」と言う。そもそも入院の必要性は微妙なところだったのだろうが,発熱しているし,点滴しているし,受傷面積は広いしで,にわかには信じられなかったが,しっかり2泊で帰ってきた。何より驚いたことは,私が面会に行ったその夜,本人が戻ってくる前に,ガーゼ,生理食塩水などの包帯交換のサプライの入った段ボール箱が宅配便で届いたことだ。私が家にいたからいいものの,本人不在の家に配達するというのは,明らかに同居人を“当て”にしてはいないだろうか。
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