連載 やじうま宮子の看護管理な日々――看護師長でいこう!・4
若者の受難 診療報酬改定に思う
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.566-567
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100323
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「在宅重視」がもたらすもの
先日,4月からの診療報酬改定に関する研修会に出てきました。予想通り,地域と連携しつつ急性期病院をめざす520床の当院にとっては大幅減収になる内容で,知恵を絞ってどうにかなるのかならぬのか。まさにぎりぎりの選択を迫られるんだなあと,かなりの危機感を覚えました。
さらに私が暗澹たる気持ちになったのは,ますます鮮明になった在宅介護の方向付けです。今回の改定では,施設入所に伴う費用を上げたのに加え,介護度の低い人を療養型病院が入れると,収益が上がらない仕組みになりました。これに代わって在宅介護の支援は厚くなっている。「施設に入れるよりも在宅のほうが得」の利益誘導に加え,引き取る施設をなくしていくことで,「手のかかるようになったお年寄りを施設に入れる」パスをぐんと狭めたものと言えます。
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