連載 スクラブ・ナース 1年生・2
ニューヨーク6年目の初体験
鈴木 美穂
1
1ニューヨーク市内の大学病院
pp.569
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100199
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- 文献概要
ニューヨークに来てもうすぐ6年になろうとしている。英語はさっぱり上達しないものの,6年目ともなると,日常生活においては目新しいものがめずらしくなってくる。来たばかりの頃はそこら中で見かけるリスを愛おしくも思ったが,今ではそれも駅で見かけるねずみへの感情と大して変わらない。
それでも,先日就職するにあたり久しぶりに新しい体験をした。まずはトキシコロジースクリーニング(Toxicology Screening)というドラッグユーザーでないことの確認検査である。当然ながらこれが陰性でないかぎり正式に採用されない。係員の前で手を洗い,採尿カップが渡される。トイレには鍵をかけないよう,排尿後はトイレを流さないよう指示され,3分以内に採尿を済ませなければならない。いくら検査直前に多量の水を飲んでも,時間制限を与えられるとなかなかできないものである。このスクリーニングの注意事項として,検査前24時間以内にケシの実のベーグルの摂取を避けるようにいわれるのもまたニューヨークらしい。
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