訪問看護ステーション管理月誌・7
忘れがたい在宅ターミナルケア体験
清崎 由美子
1
1医療法人財団石心会訪問看護ステーション
pp.542-543
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902342
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- 文献概要
私が看護婦になってから,17年が過ぎました(年齢がばれてしまいますね!).働き始めた当初は,厚生年金を満期でもらえるほど仕事をするとは思っていなかったのに,もうこんなに看護婦をやっていたのだな~と驚くとともに,経験年数ほどには成長していない自分が悲しくもなります.
そんな私の最初の職場は,大学病院の救命救急センターでした.フレッシュマンの私にとって,そこはまさに修羅場でした.心臓・肺・脳を手術した患者の管理をはじめとして,心筋梗塞で苦しむ患者,重度の熱傷で焼けただれた患者,交通事故で腕や足がもげた患者,はては,飛び降りや薬物による自殺未遂の患者など,目を覆うばかりの状況の患者が運ばれてきます.ストレッチャーにのって患者がくると,医者や看護婦がワーッと集まって,やれ挿管だ点滴だと,まるでお祭り騒ぎのように処置が始まります,その集団のちょっと外側で,出遅れた私は息をのんでたたずむのみ….救急蘇生やいつ急変するかわからない患者の中で,心の休む間がない勤務時間をいつもビクビクしながら過ごしていた1年間でした.
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