連載 個人情報保護法と医療・2
個人情報保護法の影響―診療録等の開示について
畑中 綾子
1
1社会技術研究システム
pp.492-493
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100186
- 販売していません
- 文献概要
診療録等の開示の動き
個人情報保護法が医療現場に及ぼす影響の一つとして,診療録等の開示があります。個人情報保護という言葉からすれば,医療機関が患者の情報を外部に漏れないよう厳格に管理することをイメージします。これがどのように診療録の開示と結びつくのでしょうか。
それは,個人情報を本人に開示することで,個人情報の取り扱いの透明性を高め,本人の関与による情報の正確性,適切な取り扱いの仕組みを構成することを意図しています1)。個人情報保護法第25条は,個人情報取扱事業者が本人からの個人データの開示を求められたときには遅滞なく開示する法的な義務があることを定めています2)。この規定に基づき,医療機関は,保存する診療録等に関して患者が開示を求めた場合には応じなければなりません。そこで,個人情報保護法は診療録開示の実質的な法制化という意味をもっています。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.