特集 もっとコミット.助産婦をめぐる法律と行政
情報開示の流れ—臨床への影響
星野 一正
1
1京都女子大学宗教文化研究所・国際バイオエシックス研究センター
pp.36-40
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902090
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はじめに
近年,情報の公開を住民が求める機運が高まるにつれて,地方自治体では「情報公開条例」などを制定して,このような世論に対応する姿勢を示しているのは,歓迎するべきよい動きである。
しかし,このような情報開示を求める機運が高まるにつれて,危惧すべき点もある。その一つに,個人のプライバシーに関する種々の情報開示を,その個人と何ら関係のない人たちが要求する傾向が出てきていると思われることが挙げられる。この“筋違い”の行為に関しては,余程の特別の理由がない限り「他人の秘密を覗き見する趣味」あるいは「知る権利の履き違え」と非難されてしかるべきであろう。
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