連載 個人情報保護法と医療・6
医学研究における個人情報保護法の影響
畑中 綾子
1
1社会技術研究システム
pp.860-861
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100248
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個人情報の研究利用
医療現場では,院内の症例報告や学会報告などの研究活動が熱心に行なわれています。また医療機関によっては,疫学研究や遺伝子レベルの研究など,学際的で公益性の高い研究も行なっています。これらは,将来的な医療の質の向上や発展のため,必要かつ有益な研究である一方,患者の個人情報利用が伴います。
個人情報保護法では,「大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体またはそれらに属する者 学術研究の用に供する目的」については適用除外としています(法第50条1項3)。これは,憲法上の学問の自由を保障するためです。ただし研究機関でも,自主的に個人情報の適正な取扱いを確保する措置を講ずるよう求められており,ガイドラインや医学研究指針に留意することが期待されています1)。
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