焦点2 新潟県中越地震への救援活動――自然災害の現場の最優先課題
新潟県中越地震における日本赤十字社のこころのケア活動―小千谷市でのこころのケア活動の実際
高岸 壽美
1
1日本赤十字社和歌山医療センター看護部
pp.314-317
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100152
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日本赤十字社のこころのケア
災害時のこころのケアは,被災者だけでなく被災者の救護にあたる援助者にも必要である。日本赤十字社(以下,日赤)は国際赤十字・赤新月社連盟の心理的支援プログラムを導入し,日本の文化や習慣に合わせたこころのケアプログラムの推進をしている。日赤のこころのケアは心理や精神の専門家のカウンセリングや治療ではなく,特別な訓練を受けた医師や看護師ら(こころのケア指導者)がすべての被災者を対象に行なう。そのポイントは「そばにいる」「親身になって話を聴く(傾聴・共感)」「ありのままを受け止める(受容)」「心の問題以外にも相談にのる」というものである。
日赤は,2003(平成15)年度から各都道府県の支部,教育施設,福祉施設の医師,看護師,臨床心理士を中心とした職員にこころのケア指導者としての研修を行ない,現在90名が登録されている。こころのケアの指導者は,(1)救護班要員や一般市民・ボランティアへのこころのケアの指導,(2)災害時におけるこころのケア活動計画策定,実践,指揮を主な役割としている。
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