焦点1 病院と職員への暴力行為・不当要求にどう対処するか
[インタビュー]医療の現場を守る病院経営者としての対応―川島周氏に聞く
川島 周
1,2
,
結城 房子
3
1医療法人川島会
2全日本病院協会
3刈谷総合病院安全環境管理室・看護部
pp.308-309
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100149
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――全日本病院協会と徳島県警察本部が協働してマニュアルをつくろうということになったきっかけについてお話しいただけますか。
きっかけは1つではないのですが,当院はもう何十年も病院を開業していますから,出所のはっきりしない本や雑誌の強圧的な売り込みや,なかには医療以外の面で患者からの不当な要求というのも少なからず経験してきました。そこで,そうした対策を他の病院がどういうふうにしているのか調べてみたのです。医療に関することであればやり方もあるのですが,そうでないときの相手に対する接し方や対処の仕方などはわかりませんからね。ですから,われわれの取り組みもそうしたニーズがあってはじめたわけで,全国的に見ても病院内での殺人事件なんて,もうめずらしくないでしょう。何もかばっていうわけではないですが,徳島が特にそういうことが多いというわけではないんです(笑)。
3,4年前になりますが,徳島県警察本部の樫山憲法警部による暴力追放運動推進センター主催の講演が県医師会であったのです。それまでに徳島県では,暴力団につけ込まれて,医師が偽の入院の診断書をつくり,それが発覚し逮捕され有罪になったということがありました。そうしたことがあって,県医師会で取り組むべき課題として問題提起されていました。
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