特集 災害被災地におけるプライマリ・ケア
被災した医師としての経験
新潟中越地震②
根元 純一
1
1根本整形外科医院
キーワード:
新潟中越地震
,
災害医療コーディネーター
,
インフルエンザ
Keyword:
新潟中越地震
,
災害医療コーディネーター
,
インフルエンザ
pp.658-659
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100133
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新潟中越地震は,小千谷市・魚沼市・川口町医師会の直下で発生した.会員数80名の小さな医師会は完全に分断された.地震発生の後,どのように医師と医師会が動いたか,そして何ができ何ができなかったか,筆者が所属する小千谷地区の活動を中心に報告する.
地震直後,孤軍奮闘する医療機関
2004年10月23日17時56分,川口町直下で震度7の大地震が発生した.その後約2時間の間に震度5以上の地震が11回続き,24時までの約6時間に体感した地震は111回にのぼった.
小千谷市内も激しい被害を受けた.2つの総合病院と16軒の診療所があったが,発生時刻が土曜日夕方であり,救急患者は2つの病院に殺到した.診療所医師が病院に手助けに向かうこともできず,各地から多くの医療支援チームが駆けつけてくれたが,最も早いチームでも翌24日早朝の到着であり,約12時間は地元の被災した医療機関が孤軍奮闘せねばならなかった.
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