特集 新潟県中越地震・台風23号災害への救援活動
阪神・淡路大震災の教訓は活かされたか
台風23号,病院を襲う―床上浸水した公立豊岡病院のその時
原田 玻瑠美
1
,
小畑 美紀枝
1
,
森本 七重
1
,
山崎 由美子
1
1公立豊岡病院看護部
pp.108-115
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100112
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はじめに
2004(平成16)年10月20日,大型台風23号は近畿地方を横断し大きな被害をもたらした。当日,大雨洪水警報のなか,降り続いた雨は16時ごろには,猛烈な勢いで山裾から噴き出した。土砂をまじえて支流に集まり,一気に本流の円山川に流れ込んだ。急激に水位は上昇し,濁流となって堤防から溢れ出し,23時12分,円山川の下流で約50メートルにわたって決壊した。濁流はその後,あふれる内水ともども市街地を水没させた。
今回の台風で公立豊岡病院(以下,当院)は床上浸水するという被害にみまわれた。台風は予報のあたる確率が高く準備性があるが,実際には被害の予測は立たず,自然の猛威を改めて実感することになった。しかし,水と時間の戦いのなかで職員が一丸となって,患者と病院を守ることができた。
今回の水害で多くのことを体験したので,今後の水害時援助の一助になればと考え,その経過を報告したい。
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