連載 組織マネジメントツール バランスト・スコアカードの基本のキ 実践編[最終回]
BSCはヘルスケアシステムに何をもたらすのか―看護管理の何を変えるのか―
熊川 寿郎
1
1国立保健医療科学院経営科学部
pp.40-44
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100103
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システム思考
私たちは日常生活の中でよく「システム」という言葉を使いますが,システムとはいったい何でしょうか? 少しわかりにくいですが,「システム」とは,その構成要素,構成要素間の連結,達成しようとする目的によって定義されます。達成する目的が変われば,たとえ構成要素に変化がなくても,構成要素間の連結は組み直され,新しいシステムが誕生します。
20世紀後半のヘルスケアシステムは,医療に対するアクセスの保障を目的としたシステムでした。21世紀のヘルスケアシステムは,安全性・有効性・患者中心志向・適時性・効率性・公正性を保障し,ヘルスケアに関する情報を十分に伝達し,人々の健康の維持という一つの目的に向けて,さまざまな構成要素(診療所,病院,薬局,リハビリ施設,介護施設,臨床検査ラボなどのサービス提供機関,教育機関,保険支払機関,サービス消費者など)が患者と情報の移動を介して相互に結びつけられたものでなければなりません。
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