特集 病院管理会計とBSCの効用
BSC導入が病院にもたらしたもの―財務の視点を中心に
須藤 秀一
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1医療法人財団献心会 川越胃腸病院
キーワード:
マネジメントコントロール・システム
,
CS経営
,
組織プロフィール
,
組織IQ
Keyword:
マネジメントコントロール・システム
,
CS経営
,
組織プロフィール
,
組織IQ
pp.107-110
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101630
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近年,医療機関を取り巻く経営環境が厳しくなる中で,経営管理の重要性が認識され,経営改善を図るための様々な取り組みが行われ始めている.医療機関においても,財務の視点から予算管理や原価管理を含めた管理会計の重要性が唱えられている.管理会計では,財務指標だけを目標とするだけではなく,患者満足等の非財務指標をも戦略目標としたマネジメントコントロール・システムを作り上げていくことが必要になっている.企業における管理会計では,戦略遂行のためのこのようなマネジメントコントロールが行われており,図11)のように戦略が最終的には業績に繋がるフレームワークが明示されている2).
医療機関においても,長期的なビジョンを持って経営戦略に取り組むことが大切であり,戦略遂行のためのマネジメントコントロールが必要となっている.したがって,医療機関においても図1に示されているように,戦略遂行の結果が業績に明確に結びつかなければならない.そこで,戦略マネジメントツールとしてバランスト・スコアカード(以下,BSC)の重要性が認識され,導入する医療機関が増加している.BSCを活用することで組織全体を戦略の方向性に一致させ,戦略志向の組織体を作り上げることが期待されるとともに,医療機関において弱いとされる財務の視点をしっかりと認識することに繋がる.
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