憧鉄雑感
第142回 自己研鑽の境界
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.125-125
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004377
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前号で自己研鑽について触れた。2024年問題が巷の話題になる中,医師の働き方改革で議論となるのがこの自己研鑽の取り扱いであり,勤務時間とみなすのか否かで医師の労働時間計算は大きく異なる。筆者の世代であれば若い頃の症例報告など,上司から命ぜられるとはいえそこそこ論文を読み,発表準備や論文執筆などを労働時間とする考えは皆無であった。当然医師は生涯学習が求められる職業であり労働との線引きは難しいが,例えば診断治療に苦慮する患者について労を惜しまず文献を探索するのは労働時間に矛盾しない気もする。ならば診療報酬に直結する仕事のみを労働とみなすかどうかであるが,その判定は困難であり解決には程遠い。
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