特集 NSTとクリニカルVEで考える医療・看護の機能を向上させる“チーム”
NSTで担う看護管理者の役割―チームでもてる力を発揮するために
近藤 惠美子
1
,
東口 髙志
2
,
伊藤 彰博
3
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
2藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座
3藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座
pp.39-45
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100006
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はじめに
藤田保健衛生大学七栗サナトリウム(以下,当院)では,より安全で質の高い医療を提供しようと,2004(平成16)年4月,大学病院や大病院での運営に推奨させるPotluck Party Method(PPM)-IIIを用いた全科型NST(Nutrition Support Team;栄養サポートチーム)を設立した。このNSTの設立によって,当院における栄養治療法を中心とした基本的医療の確立をめざし,全職員が一丸となって取り組んでいる。
当院は,運営・経営形態は大学病院でありながら,リハビリテーション医学,外科学,緩和医療,そして老年医学という,チーム医療が最も要求される医療に特化した,全国でも数少ない専門病院である。そのため,入院時すでに多くの患者が栄養障害,あるいは適切な栄養管理を実施しないと容易に栄養障害に陥るLOM(Likelihood Of Malnutrition)を有しており,病院全体での栄養支援体制の構築が必要とされる。
特に看護師が日々の業務を行なう場合,他部門・他職種との連携なしには業務を推し進めることはできない。いかに良い連携をとるかが,看護師が患者に満足してもらえるケアに専念できるか,ひいては質の高い看護サービスの提供,業務の効率化に結びつけられるかどうかに関わってくる。したがって,このNSTが活動を実践するうえでは,各々の職種がいかにしてその役割をチーム内で発揮するかが重要なポイントであるといえる。
当院にNSTが設立され1年6か月が経過したいま,本稿ではチーム医療における看護の役割とNST導入による病院の変化について述べたい。
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