特集 医療安全管理者の働き方とその支援
医療安全管理者が力を発揮するための環境
寺井 美峰子
1
1聖路加国際病院医療安全管理室
pp.1075-1079
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101369
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はじめに
医療安全管理者は,医療安全に先進的に取り組んでいた医療機関に2000(平成12)年ごろから配置されるようになり,この当時の呼称はリスクマネジャーなどさまざまであった。医療安全管理者の役割が誕生してから約8年が経過した2008(平成20)年の今,「医療安全管理者」という名称・呼称は広く認知されるようになった。
医療安全管理者は新しい役割であったため,役割構築や機能するための方策について,知力と労力を費やすことが必要とされ,パイオニアゆえの苦労も多かった。今年の第12回日本看護管理学会では,「学術集会リレーパネル」として「医療安全管理者の燃え尽き」と題したシンポジウムが開かれた。医療安全管理者が,ストレスをためすぎないように,燃え尽きてしまわないように,どのような点に留意すべきなのか検討するということがシンポジウムの趣旨であった。
今回,筆者に与えられたテーマは「医療安全管理者が力を発揮するための環境とは?」である。筆者個人の意見を述べるよりも,複数の医療安全管理者の意見を聞き報告したいとも考えたが,代わりに医療安全管理者に関する文献や記事から読み取ったことと,自分の経験をもとに,考えを整理した。医療安全管理者の声としては雑誌『医療安全』のインタビューシリーズ「Monthly Risk Manager」を主に参照した。
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