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Metabolic Clubの発足
栄養サポートチーム(NST:nutrition support team)の設立に際して最大の問題となるのは,医師をはじめとするすべての職種における代謝・栄養管理に対する“関心の欠如”である1,2).そこで,まず院内に栄養管理の有用性や正しい栄養管理法を啓発する勉強会“Metabolic Club”を発足することが必要となる.この勉強会の目的は,NST設立まではあくまで病院職員の栄養管理に対する意識を目覚めさせることであり,①毎月1回など定期的に必ず行うこと,②誰にでも理解できるように内容が簡潔であること,③栄養管理の基本がglobal standard(世界標準,日本静脈経腸栄養学会TNTプロジェクトの内容を参照)であることなどが大切なポイントである.
Potluck Party Method(PPM)の導入
わが国においては,いわゆるチーム医療の経験が少なく,その歴史も浅い.したがって各診療科間の壁を取り去った病院全体でのNSTの運営は困難なことが多い.また,欧米と同様の“専属チーム型”のNSTを設立することは,人員削減が叫ばれる今日においてはさらに難しいことである.そこでわが国におけるNSTの新しい形として“Potluck Party Method(PPM)”を考案した1~6).すなわち,各部署・各病棟から1~2名ずつのメンバーを選定し,一般業務を行いながらNSTの仕事も遂行して,各部署や病棟における栄養管理にかかわる問題点や問題症例の抽出を行いNSTの回診やmeetingにてその解決や対策を講じる.また,教育の立場から各部署のNSTメンバー以外の病棟スタッフにも問題点や対策を,また新たに得られた知識などを紹介する.このように“あたかも1皿ずつの料理を持ち寄ってパーティーを行うように,少しずつだが各部署から人・知恵・力を持ち寄ってNSTを運営するシステム”を“Potluck Party Method(持ち寄りパーティー方式)”という名称で呼ぶこととしている1~5).このPPMを導入することによって各部署にできるかぎり迷惑をかけず,しかも参加メンバーの知識や技術を増やし,それが各部署にフィードバックされ,病院全体のレベルアップにつながるような医療チームの結成が可能となる.
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