ワンポイントアドバイス
栄養サポートチーム(NST) その3 NSTの業務
東口 髙志
1
1藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座
pp.1236-1237
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101607
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NST業務の設定
NSTの設立に際しては,各病院に適したNST業務を設定することが必要である.欧米と同様に専属チームでNSTを設立する場合には,輸液ルートの挿入や維持・管理をはじめとするすべての栄養管理を一手に引き受けることとなり,業務は多彩で煩雑となる.しかし,“少しずつだが各部署から人・知恵・力を持ち寄ってNSTを運営するシステム”である“持ち寄りパーティー方式”(Potluck Party Method;PPM,兼業兼務システム)を用いた場合には,NSTメンバー以外の病棟勤務スタッフのレベルも向上するため,主として3つの業務に集約することができる.これを“NSTの三本柱”と呼んでいる1~3).
1 . NST回診
回診は医師,看護婦,薬剤師,栄養士が担当する.尾鷲総合病院では全260床を2部門に分け,1日1部門,週2日で定期的に回診を行っている.回診は1日2時間を超えないようにし,回診時には各病棟のNSTスタッフ(医師,看護師,臨床薬剤師,臨床栄養士)があらかじめ,NST症例を抽出しておき1例に十分な時間をかけるようにしている.しかもこれら病棟スタッフは担当病棟の回診時のみ参加するので,各部署において日常業務にかける負担は極めて少ない1~3).最近では全入院患者を対象に入院時初期評価4)を実施して,すべての入院患者にNSTのサービスを提供できるように病院業務を見直しているが,病棟スタッフのレベル向上に伴ってNST業務が日常業務に浸透しており,NST症例数は増加しているもののNST回診はほぼ1時間以内に終了できるようになった4).
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