震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《精神疾患》災害による死別者の悲嘆とケア
中島 聡美
1
,
伊藤 正哉
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
キーワード:
家族
,
死別
,
精神保健サービス
,
悲嘆
,
精神的ケア
,
災害医学
,
グリーフケア
,
対象喪失
Keyword:
Bereavement
,
Family
,
Grief
,
Mental Health Services
,
Disaster Medicine
pp.1090-1095
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059524
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<ポイント>・死別による悲嘆は本来自然で正常な反応であり、時間の経過とともに徐々に回復に向かうものであるが、災害などによる突然の死別の場合には、急性期の悲嘆反応が長期に持続する複雑性悲嘆が生じることがある。・複雑性悲嘆は社会機能の低下や自殺念慮などのリスクがあるため、専門的な心理的ケアが必要である。・遺族は、身体症状や抑うつ症状を主訴にかかりつけ医を受診することがあり、その際にはうつ病やPTSD、アルコール関連障害などの精神障害の有無や自殺行動のリスクを判断し、必要に応じて専門医に紹介することが重要である。・悲嘆の回復には周囲の支えが重要である。医療関係者は遺族の悲嘆に理解と共感を示し、信頼できる相談者としての役割が求められている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012