総説
看護とタッチに関する研究動向—1970年代から1990年代まで
藤野 彰子
1
1女子栄養大学栄養学研究科博士後期課程保健学
pp.385-394
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900469
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はじめに
臨床において患者の世話をする場合に,看護婦の使用するタッチは,患者のこころを落ち着けることができたり,励ましを与えたりすることができるのでとても有効である。一方で触られたくないという場面もたびたびあり,どんな場合にも有効とは限らない。タッチに関する現象は複雑な因子が介在し,それゆえに同じ条件の状態を再現することが困難であり,したがってタッチに関する研究はとても難しいものとなる。
そのような現状のなか,「終末期がん看護におけるタッチに関する研究」というテーマで修士論文作成に取り組み,分析視角を明確にするために文献を精読した結果,このテーマに関する文献は極めて数が少ないことが明らかになった。特に国内における研究は,ごくわずかであり,したがって海外の文献を探すことが必要になった。
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