論説
アメリカの文献をもとに小児がん患者のQOLを考える
石橋 朝紀子
1
1虎の門病院
pp.505-515
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900429
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はじめに
ここ数年の間,QOL(Quality of Life)ということばは日本でもあらゆる分野で聞かれるようになった。小児がん患者のQOLへの注目もたかまっている7)。小児がん患者のQOLは,アメリカでは約20年間に渡って研究され続けており18),また,理論づけられている23,56)。日本では,小児がん患者に関して,告知する時期のタイミングの必要性2),立ちおくれている在宅看護5),入院中のトータルケアのためのプライマリナーシング6)院内学級やイベントなどの必要性1),家族援助に対しての社会的なシステムの必要性3),ソーシャルワーカーが医療チームの一員として医師とナースと同心円上にない現状4)などの研究がある。また,小児がん患者のQOLについてはその必要性は言われているが7),まだ小児がん患者のQOLを具体的な概念を通して理論づけられている研究は少ない。
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