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Editorial
患者本人のQOLと医療人の考える患者QOLは重なるか
Is patient's QOL compatible with QOL which we think out ?
内潟 安子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
pp.73
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100120
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人間ならばだれでも現実のすべてが見えるわけではない.多くの人は見たいと思う現実しか見ていない―ユリウス・カエサル
筆者の外来の約95%はインスリン治療をしている患者さんで,そのうちの約90%は1型糖尿病の患者さんである.また18歳以下の1型糖尿病の患者さんは100人以上通院されている.そのため,「たいへんですね.何かとファクスでやりとりですか.いつも先生の居場所は携帯とかメールでつかまるようにしていらっしゃるのですか」
「こまかくインスリンの指示をなさっていらっしゃるのでしょう?」とよく同業者から質問される.この質問をなさる先生やコメデイカルの方々は,自分もそのようにしているが,とてもたいへんだ,という述懐を込めていらっしゃるように思える.たしかにそのようにしていると,筆者も体が持たない.想像するだけでもめまいがしそうだ.自慢でないが,電話でつかまらない医師の代表選手で,毎日あちこちから苦情をもらっている.
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