焦点 看護ケアの質を構成する要素に関する質的研究
研究
家族を含めた看護ケア技術
山本 あい子
1
,
小竹 雪枝
2
,
小林 康江
2
,
中込 さと子
2
,
勝原 裕美子
3
,
遠藤 俊子
4
,
我部山 キヨ子
5
,
片田 範子
1
1兵庫県立看護大学
2兵庫県立看護大学(母子看護学講座)
3兵庫県立看護大学(教育・管理看護学講座)
4北里大学大学院看護学研究科
5京都大学医療技術短期大学部専攻科
pp.35-46
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900330
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はじめに
人々の医療に対するニードの多様化や,提供される医療の質を問う声の高まりに伴い,医療の質の評価が欧米や日本で検討され続けている(病院医療の質に関する研究会,1990;Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations,1988,1991)。この動きに伴い,医療の中で独自の働きを果たしている看護についても,そのケアの質の評価に関する研究が多くなされている(Lang & Clinton,1984;Maibusch,1984;日本看護協会,1987;内布他,1994;看護QA研究会,1994)。しかし,その評価基準や評価主体,あるいは具体的な評価方法等,いまだ確立されていないのが現状である。その要因として,質の評価の必要性に対する医療施設側の認識不足(岡谷,1995)や,ケア過程指標とケア結果指標との分離の難しさ(近澤,1994)等が指摘されている。またUnderwood(1995)は,質の定義の曖昧さが評価を困難にしていると述べている。
質を評価するとは,例えば,典型的な患者が普通の環境の中で看護ケアを受けた時に,患者が到達した結果を評価するのか?あるいは,より質の高いケアをより良い環境の中で提供した時に,患者が到達した結果を評価するのか?
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