特別論文 兵庫県立看護大学第2回国際セミナー
危機管理―緊急時に対する看護としての備え
山本 あい子
1
,
松岡 千代
1
,
中込 さと子
1
,
勝原 裕美子
1
,
大川 貴子
1
,
野並 葉子
1
,
櫻井 利江
1
,
サンワル・マーク
1
,
パトリシア・アンダーウッド
1
1兵庫県立看護大学国際交流委員会仮想防災計画案作成班
pp.648
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900536
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災害は,地震・洪水などの自然災害,戦争・化学爆発などの人為災害,また放射性物質漏れ・有毒物汚染などの特殊災害と多様なものを含んでいる.これらの災害は突然に発生し,医療施設には多くの被災者が押し寄せることになる.その際,医療機関には,平常時の能力をはるかに越えた治療やケアが要求される.災害時に治療やケアを提供するためには,災害を想定した訓練が役だつが,実際の災害時には,混沌とした中で組織をつくり,ボランティアと共に活動することなど,その状況に応じて通常の手順を変えて対処することが必要である.
世界のいたる所で,さまざまな災害が発生している中で,災害に備え,多くの提言もされている.それにもかかわらず,災害への備えは整いにくいと言われている.それは,災害によって生ずる問題は解決できないこととか仕方ないことと判断したり,訓練された指導者が少ないため,あるいはいつ起こるかもしれない災害に対して,責任者の責任が不明確であるなどの理由による.
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