焦点 看護ケアの質の評価指標と評価方法の開発
看護ケアの質の評価基準に関する研究—指標開発
片田 範子
1
,
内布 敦子
1
,
上泉 和子
1
,
山本 あい子
1
1兵庫県立看護大学
pp.99-104
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900443
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はじめに
「看護ケアの質の評価基準に関する研究」班では,1993年度(1年目)に,看護ケアの質を構成する主要な要素を導き出すことを目的に研究を行なった。この研究ではデルファイ法を用いて調査を行ない,その結果,『人間関係を重視』『信頼関係を重視』『苦痛の緩和』『看護婦の姿勢』『個別性の尊重』『家族へのケア』『モニタリング機能』『ケア体制の条件』『適切な看護過程』の,看護ケアの質を構成する9つの要素が導き出された(内布他,1994)。
1994年度(2年目)は,看護ケアの質の評価基準を探究するために,これら9つの看護ケアの質を構成する要素を量的調査を用いて検証すること,質的調査法によって各要素を構成する看護の技術を明らかにすること,さらにこの過程を通して,看護ケアの質を評価するための指標を探索することを目標に研究を行なった。看護ケアの質の各要素を構成する看護の技術は,『苦痛の緩和』『家族のケア』『モニタリング機能』『医療チームの連携』の4つの要素に,『日常生活の改善・維持』を加え,合計5つのケア要素に焦点をあてて技術を探索した(近澤他,1996;片田,1996;片田他,1996;竹崎他,1996;内布他,1996;山本他,1996)。各要素について導き出された看護技術を基盤に,「構造指標」「過程指標」「結果指標」を導き出した。
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