研究・調査・報告
働きながら2人以上の子どもを育てている女性と家族の大変さの実態,および子育て支援策の検討
山本 あい子
1
,
中込 さと子
2
,
小林 康江
3
,
篠崎 和子
3
,
柳吉 桂子
4
1兵庫県立看護大学母子看護学講座
2聖路加看護大学大学院博士前期課程
3兵庫県立看護大学母子看護学講座
4京都大学医療技術短期大学部専攻科助産学専攻
pp.626-631
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901978
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はじめに
少子社会を迎えて,子どもを産み育てやすい社会のあり方の模索が続けられるようになってきた。国や地方自治体,あるいは民間によっても子育て支援策の整備が行なわれ始めるようになってきた。しかし国が推進する施策であるエンゼルプランは,保育サービスに関する提言は具体的であるが,保健・医療分野に関する提言は具体性に欠けることが指摘されている15)。
女性の就労と子育てに関連した既存の調査を見ると,制度や労働条件に対する要望,女性の就労継続を困難にする要因,母親の育児行動,あるいは夫の育児参加度等を質問紙で量的に調べたものが主流である。私たちは,より具体的な出産・子育て支援策を検討するためには,就労と子産み子育てを可能にする要因を実際にそれを体験している人々の生活の中から問うことが鍵となると考えた。
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