焦点 災害看護学の構築に向けて・Ⅰ
阪神・淡路大震災時の看護ボランティア活動の分析と評価
上泉 和子
1
,
竹崎 久美子
2
,
勝原 裕美子
1
,
南 裕子
3
,
片田 範子
3
,
水谷 信子
3
,
山本 あい子
3
,
内布 敦子
3
,
井伊 久美子
3
,
豊田 邦江
3
,
塩塚 優子
3
,
飯岡 由紀子
3
,
三田 由郁
4
,
松岡 千代
4
1兵庫県立看護大学(教育・管理看護学)
2兵庫県立看護大学(老人看護学)
3兵庫県立看護大学
4前:兵庫県立看護大学
pp.309-320
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900462
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はじめに
1995年1月17日火曜日午前5時46分,淡路島を震源地に発生した,マグニチュード7.2の地震は,神戸市等阪神地域および淡路島の一部で震度7を記録し,阪神・淡路地域に多大な被害をもたらした。災害救助法指定地区は10市10町に及び,兵庫県内では,死者6,279名,負傷者34,900名,焼失家屋7,456棟,倒壊家屋192,706棟と発表された。ピーク時(同年1月23日)には避難所は1,153か所,避難した人数は316,678人であった。
阪神・淡路大震災は,被災地における住民の健康状態を著しく悪化させ,医療機関では被災した患者が大幅に増加した。一方,医療機関や医療従事者もまた甚大な被害を受けた。病院施設は193施設,診療所は1,475施設,歯科診療所1,004施設が被害を受けた1)。その結果,医療機関においては急激な看護婦不足が生じ,また救護所や,避難所における看護活動のニーズが高まった。
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